霧訪山が推し山1位 信州里山総選挙

高億翔
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 長野県山岳総合センターによる「信州の里山・総選挙!(冬山編)」の投票結果が発表され、霧訪山(きりとうやま、1305メートル)が1位になった。登山者が選んだそれぞれの「推し山」。2位には「北信五岳」の一つ、飯縄山(いいづなやま、1917メートル)が入った。

 総選挙は、安全登山の啓発活動をする同センターが「県外の人にも信州の里山に登ってもらいたい」と企画。①信州の山②標高2千メートル程度以下③冬に日帰りができる――を3条件に昨年11月末まで登山者に投票を呼びかけると、計238票(70山)が集まった。

 霧訪山は29票を獲得した。塩尻市と辰野町にまたがり、登山道が入念に整備され、周囲に高い山がないのが特徴。南北のアルプスや八ケ岳連峰の眺めが良い。今冬は雪が多めだったが、軽アイゼンで十分登れるという。地元の子どもたちも多く登り、地域に根付いていることが「推し」の理由になったとみられる。

 飯縄山は22票を獲得。長野市、信濃町、飯綱町にまたがり、山岳信仰の霊山として知られる。長野市街から近く、冬は本格的な積雪期登山ができる。晴れていれば、山頂から北アルプスや妙高山(新潟県)、日本海まで見通せる。

 総選挙を企画した同センターの京屋仁さんは「冬のアルプスを敬遠気味な人でも、里山なら快適に登れるのが魅力だが、天候によって難易度は変わる。油断なく、装備はしっかりと」と話す。

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 3~10位は次の通り。

 鷹狩山(1164メートル、大町市)▽守屋山(1650メートル、諏訪市など)▽太郎山(1164メートル、上田市など)▽光城山(912メートル、安曇野市)▽美ケ原高原(2034メートル、松本市など)▽長峰山(933メートル、安曇野市)▽飯盛山(1643メートル、南牧村)▽入笠山(1955メートル、富士見町など)

 その他の山の順位は、同センターのサイト(https://www.sangakusogocenter.com/topics/docs/2021satoyama.pdf別ウインドウで開きます)から確認できる。

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 2月末、先輩記者と積雪期の飯縄山に初めて入った。手軽に登れる里山として知られるが、道は雪で覆われ雪崩の恐れや急な登りもあり油断は禁物だ。実際、下山途中にヒヤリとさせられた。

 飯縄山南峰の尾根筋に着くと木々は少なくなり、風が増した。雪で空は真っ白だ。南峰直下の飯縄神社奥社と鳥居は2メートル近い雪に埋もれていた。ふもとを出発して3時間超。いつもなら見えるはずの北アルプスや戸隠山の景色は全く見えなかった。

 昼食を済ませて奥社を出ると、下山時に頼りだった足跡は風雪で消えていた。すぐに雲が流れ、視界も悪くなる。尾根は雪原で、100メートル先が見えなかった。

 「あれ? どっちだ」「戸隠側の谷に下りると、やばい」

 出発から5分ほど歩いて間違いに気づき、先輩の判断で斜面を100メートルほど横断してルートを修正した。

 冬の飯縄山は、本格的な冬山登山の練習場として最適とされる。県山岳総合センターの京屋さんは「天候によっては『里山』としてのレベルは上級」とし、アイゼン、防寒具、ヘッドランプといった装備や、登山届の提出などを欠かさないよう呼びかけている。(高億翔)