期待から失望のデジタル庁 役所になかった人員配置も「完全に裏目」
中央省庁の「縦割り打破」の象徴として昨年9月に始動したデジタル庁。1日に発足から7カ月を迎えたが、期待された「司令塔」としての役割は果たせていない。政府内から公然と「もっとやれる」との声が上がるなど、生みの苦しみが続く。
岸田文雄首相は3月30日、デジタル庁が主導する「デジタル臨時行政調査会」の会合で、「目視規制や実地検査、書面手続き、対面講習などの古い規制をデジタル技術に置き換える」と述べた。官民に残る規制を今後3年間で見直す方針を強調した。
デジタル庁はコロナ禍で露呈した行政のデジタル化の遅れを挽回(ばんかい)するため、菅義偉前首相の肝いりでつくられた。岸田政権下でも「デジタル」は成長戦略の柱で、同庁は中心的な役割を担う。昨年12月には、マイナンバーを使える範囲について、社会保障・税・災害の3分野以外にも広げることなどを掲げた今後の「重点計画」を策定した。
あてこすりの動き見せる経済産業省
ところが、政府内での評判は…
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- 【視点】
私が初めてデジタル庁幹部の部屋を訪ねたとき、閑散としていたので赴任間もないからですかと聞いたら、幹部の間でも個室をシェアしているからという話でした。中央省庁にしては柔軟だと思いましたが、そうしたスタイル以前にデジタル庁の存在意義が問われてい
- 【視点】
DXを進めるためにまず器を整え、大号令をかけることは重要ですが、結局のところ人がそれに追いつかないことには目的は達成できません。 政府は「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を掲げています。国家ですから、だれ一人取り残さないよ