新社会人 新成人 決意の春 埼玉でも

川野由起、上田雅文、山田暢文、加藤真太郎 坂井俊彦
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 埼玉県内で1日、入庁式や入社式があった。新型コロナ対策のまん延防止等重点措置が解除され、久しぶりに実際に顔をあわせた。民法改正でこの日から「新成人」になった18歳らが、意気込みを語った。

 埼玉会館(さいたま市浦和区)であった埼玉県の入庁式では、一般行政職など363人の新採用職員らが参加した。一堂に会する式は2019年以来3年ぶりで、席の間隔をあけるなど感染対策の上で実施した。大野元裕知事は「日本一暮らしやすい埼玉を実現するために、ワンチームとなって新しい埼玉を築き上げていきましょう」とエールを送った。

 民法改正で1日から成人年齢が18歳に引き下げられた。熊谷県土整備事務所の高村くるみさん(18)は、「成人という実感はないが、責任を持ち自分自身で考えて行動したい。安心して子どもを育てられるまちづくりをしたいので、歩道の安全対策などをがんばりたい」と気を引き締めた。

 さいたま市の採用者は、社会人経験のある人を含む18~56歳の330人。新型コロナの感染予防のため、この日の入庁式は4回に分けて開かれた。清水勇人市長は動画のメッセージで「市民の幸せを応援するため、情熱を武器に積極、果敢に取り組んでほしい」とエールを送った。

 この春に市立高校を卒業した水谷若葉さん(18)は大宮区役所に配属された。昨年秋の衆院選で投票した時ほど大人になった実感はないという。それでも「親に出してもらっていた携帯電話代をお給料で支払い、名義も自分で変更して自立していきたい」と話した。

 武蔵野銀行(本店・さいたま市大宮区)の入行式には総合職と特定職計90人が参加した。新型コロナ感染防止対策として、この日の朝に検査でコロナの陰性を確認したという。

 式では長堀和正頭取は「熱い思いをいつまでも忘れずに真摯(しんし)に業務に取り組み、自分を磨いていっていただきたい」と祝辞を述べた。高橋涼葉さん(22)が新入行員代表として長堀頭取から辞令を受け取った。式後の取材に、高橋さんは「緊張と不安もあったが、同期たちの顔をみてこれから頑張ろうと思えた。お客さんと信頼関係を築ける行員になりたい」と話した。

 新入行員らは1カ月ほどの研修後、各支店や本部の部署に配属される。20年度以降の研修はウェブのみだったが、同期社員とのコミュニケーションをとってもらおうと、今年度は対面方式とウェブを併用して行うという。

 住宅建設・販売のポラスグループ(埼玉県越谷市)では研修施設のホールで入社式を開き、175人の新入社員を迎え入れた。

 中内晃次郎代表は訓示で「コロナやウクライナ問題など、私たちを取り巻く環境は先行きが読みづらい状況になっている」と指摘。「昨今の原材料高などの状況を見ると、インフレ傾向になってきている。住宅業界にもこの傾向は表れ、今後、局面ごとに難しい判断に迫られることも想定される」とし、「一緒に様々な難局を臨機応変に乗り越えていきたい」と訴えた。

 中内代表は新社会人の自己投資として「特に新聞の購読と資格取得をお願いします」とも呼びかけた。「新聞は自分が興味のない分野でも俯瞰(ふかん)的に紙面を見ることで、時代背景が理解できたり、一見、関係がないように見える記事でもつながっていることに気が付いたり、仕事に直結することがある」と話した。

 成人年齢の引き下げで、成人と社会人が同時スタートとなった新入社員の内田泰雄さん(18)は「より責任が重くなると思うので自覚をもって行動したい。プロの大工としての技術を習得しながら、皆さんと協力して、より良い住まいづくりをしていきたい」と語った。(川野由起、上田雅文、山田暢文、加藤真太郎)

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 埼玉県熊谷市では35歳の新入職員が入庁した。SUBARU陸上競技部(群馬県太田市)のコーチだった滑(なめら)和也さん(35)。熊谷市が2016年度から始めた「スポーツ枠」採用で、35歳は最年長入庁だ。

 滑さんは北海道出身。熊谷市と特別な縁はない。道内の高校、大学と陸上長距離を続け、SUBARUで実業団駅伝日本一を競う元日の「ニューイヤー駅伝」に選手として出場した。5年前に引退後はコーチとしてチームを支え、今年はチームを過去最高の総合2位に導いた。

 利根川を挟んで隣町の熊谷市にスポーツ枠があることは前から知っていた。採用の年齢制限35歳ぎりぎりで転身した。

 滑さんは総合政策ラグビータウン推進課に配属され、スポーツ枠1期生の元トップリーガー、木川隼吾(じゅんご)さん(38)が前日まで使っていた机を与えられた。木川さんは3月31日付で退職し、1日付で古巣、埼玉パナソニックワイルドナイツのスクラムコーチとして復帰した。コーチを辞めて熊谷にやってきた滑さんは「競技は違うが、長距離で培った粘り強さで業務に励みたい」と語った。(坂井俊彦)