第18回ウソをついた男と「Q」を結ぶソクラテス 問いを重ねた記者の確信

有料記事Qアノン

米アリゾナ州=藤原学思

前回のあらすじ

Qアノンが信奉する「Q」ではないかと疑われているアジア系米国人、ロン・ワトキンス。彼は一体どんな人物なのか。彼の過去を追いかけて見えてきたものとは。

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 アジア系米国人、ロン・ワトキンス(34)は「Q」ではないかと疑われている。陰謀論集団「Qアノン」が信奉する謎の投稿者のことだ。

 「長くQだと疑われている」(CBS)

 「ほとんどの主要なQアノン研究者がQだと推測する」(ワシントン・ポスト)

 「Qアノンの主な推進者であり、Qだと疑う人もいる」(ニューヨーク・タイムズ)

 米メディアでは、そう報じられてきた。

「私の推測だが、Qが匿名掲示板に投稿したのは…」

 私は昨年10月、まず米ラスベガスであったQアノン関連のイベント会場で、ロンに直接尋ねた。

 「あなたはQなのか」

 ロンは迷いなく、以下のように答えた。

 「多くの人にQではないかと聞かれるが、私はQではない。いま、ここではっきり言うと、私はQではないし、Qとは関係ない」

 ロンはまた、政府の機密情報に触れられると自称する「Q」が、なぜ、投稿先に匿名掲示板を選んだかについても持論を展開した。

 「(記者は)日本人として理解してくれると思うが、『ちゃんねる』スタイルが非常に重要だ」

 匿名掲示板文化は、英語圏で「ちゃんカルチャー」と呼ばれる。「ひろゆき」で知られる西村博之がつくった、日本の「2ちゃんねる」が発祥だ。

 ロンは話を続ける。

記事後半には、ロン・ワトキンス氏へのインタビュー動画もあります。

 「匿名で胸の内を明かすこと…

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