「もうける術がない」自前のBS局をなぜ吉本が? 大﨑会長に直撃

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聞き手=編集委員・後藤洋平
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 吉本興業は3月21日、BSの無料放送チャンネル「BSよしもと」を開局した。4月2日と3日に大阪・なんばグランド花月で開催している記念公演に合わせた特番も放送中だ。

 横山やすし西川きよしが世に出た1960年代の演芸ブーム、80年代の漫才ブーム、90年代のダウンタウン快進撃など、今年創業110周年を迎えた吉本が全国区になった背景には、テレビでの放送が欠かせなかった。一方で今、若者のテレビ離れが進む中で開局した自前のテレビ局。これまで放送局と二人三脚で成長してきた吉本は今後、各局の「競合他社」になるのか。大﨑洋会長(68)が、開局の狙いや厳しい予算の状況、それでも取り組む理由を語った。

 ――この時代にBSで、無料放送の放送局を始める狙いは?

 吉本は2011年から全国各地に芸人を住ませて、地域密着の活動をする「住みます芸人プロジェクト」を始めた。これが12年目になって、地方の人々や自治体、行政とも色んなつながりが出来たんです。地方自治体の広報誌をまとめてる企業などと組んでるケースもある。BSよしもとでは、そうした活動をコンテンツ化する。キーワードはたった一つ。「地方創生」なんや。

 ――これまでお付き合いのあるテレビ各局との関係は?

 吉本興業は、地上波の各局でお世話になって60年以上が経っている。だから、地上波さんとバッティングせんような内容にせなあかんというのが大前提。そういう意味でも地方創生を掲げているということです。まあ土日なんかは、ちょっと違うお笑いのことも放送するけど、基本的には全ての番組が地方創生に関わることなんや。

 CMでも放送局と食い合ってしまうのが嫌なんで、積極的には営業しません。もちろん、頑張ってもそんなにCMは取られへんねんけどね。チラホラとは「CMを出したい」と言ってくれてるところもあるので、ゼロではない。でも本音を言えば、営業の人手すら足りないという状況なんで、まずは番組をコツコツと作るのが最優先。お金に余裕はないが、営業にいくパワーもないんでね。

 ――どういう形での収益化を考えているのでしょう

 一つの番組から一つの事業を起こすというか、起業することを目標には掲げてる。

 ――具体的には?

 これから考えるのと、小さな芽を育てる。まあ事業の芽って言ったって、田舎のおばあちゃんと何か一緒にやってるとか、これまで捨ててた深海魚をもらってきて、ふりかけにしてブランドにして売ってるとか、ほんまに小さいことばっかりなんやけどね。

 ただ、これまでの住みます芸人プロジェクトの中で、そういう例が数百ぐらいはあるんです。一つ一つ検証して、何ができるか考えていけたらいいとは思ってる。一つの番組が10回、20回と続くのなら、その間に地銀さんとか地元の企業さんとか、地元の個人の有志とかからお金を集めて、その事業をキチンと継続的にやれるようにできたらっていう話です。

 ――テレビ局を作るとなると、機材やスタッフをそろえるのも大変だったのでは

 そう。だから予算も30分番…

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