霜の害なのに原因は温暖化? 東北の果樹園を悩ませる気候変動

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上月英興
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 昨春の凍霜害が東北の果樹産地を直撃した。背景にあるのは、一見関係なさそうな温暖化だ。しかも、果樹に影響を与える温暖化はさらに強まる傾向にあり、サクランボの収穫量全国トップの山形県などが対策に乗り出している。気候変動に見舞われる果樹産地を守り切れるか。

 「農業を始めて50年になるが、あれだけの被害は初めて。ガッカリだった」。山形県南陽市でサクランボやラ・フランス、リンゴなどを手がける「高橋果樹園」の高橋善一さん(69)は、昨春をそう振り返る。

 昨年は4月に入って、10、11、14、27日と立て続けにサクランボ園に霜が降りた。寒さが和らぐ雪解けのあと、花芽が割れ始めるころを寒の戻りに襲われた。

 雌しべがほぼ枯死し、実はほとんどならなかった。収穫量は例年の5%ほどで、得意客約100人に「今年は出せない」と泣く泣くはがきを送ったほどだ。

 県内全体で見ても、昨年のサクランボの収穫量は前年比3割減で、25年ぶりに1万トンを下回った。西洋梨なども着果数が減り、農業被害は過去最大の約129億9千万円に上った。

暖房器具の問い合わせ相次ぐ

 同じ被害を防ぐため、高橋さんは暖房器具を求めた。紹介されたのが隣の高畠町にある精密機械メーカー「秀機」だ。18リットルタンクを備えた組み立て可能なステンレス製の新製品(税込み3万3千円)を開発してもらい、備えることにした。

 同社には東北や中部、中国などの果樹産地から新製品の問い合わせが相次いでいるという。営業顧問、漆山馨さん(65)は「霜の害を防げて、全国で喜ばれるポテンシャルがある」と話す。

 今年2月、同県天童市内であ…

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