7年ぶり善光寺の御開帳、コロナ下でそろり 初日の人出は少なめ
長野市の善光寺で3日、コロナ禍で1年延期された御開帳が初日を迎えた。秘仏の本尊の身代わりの「前立(まえだち)本尊」が7年ぶりに姿を現した。通例より1カ月延ばして6月29日まで一般公開される。
善光寺の本尊「一光三尊阿弥陀如来」は絶対秘仏とされ、歴代の住職でさえ見たことがないという。その代わりに、鎌倉時代に本尊を模してつくられたとされる前立本尊が公開される。
夜明け前の午前5時、本堂正面の扉が開くと、並んでいた参拝者が続々と本堂内に陣取った。150畳ほどの広さがある内陣には約220人が入り、立ち見の外陣でも100人以上が見守った。
本堂の内々陣では午前6時から僧侶たちの「お朝事(あさじ)」が始まり、約20分後、大勧進の栢木寛照(かやきかんしょう)副住職(76)が前立本尊が納められた厨子(ずし)の前へ。一呼吸を置いて扉を開けると堂内からどよめきが上がり、参拝者らが胸の前で手を合わせた。
妻の実家が長野市にあるという東京都の永田育男さん(65)は、午前5時すぎに到着。「厨子の扉が開いた瞬間、神々しくて涙が出た」。長野県中野市の女性(68)は「御開帳は毎回来るが、扉が開くのを見たのは初めて。まさに後光が差し、感動した」と話した。
午前10時からは「開闢(かいびゃく)大法要」が営まれ、御開帳の始まりを告げた。
本堂前には、前立本尊の右手中指と金糸や白布などでつながれた、高さ10メートルの回向柱(えこうばしら)が立つ。触ると御利益があるとされるため、早々と長さ数百メートルの行列ができた。触るまで1時間以上待つ時間帯もあった。ただ、善光寺によると、初日にしては前回より人出が少なかったという。
前立本尊は、お朝事(22日までは午前6時、23日以降は同5時半)から夕座法要(午後5時)まで本堂内で参拝することができる。回向柱はいつでも触れることができ、日没から午後9時までライトアップされる。
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