折れず、曲がらず、そして切れる…なぜに強い日本刀、秘密に迫る研究
高木文子
ゲーム「刀剣乱舞」や漫画「鬼滅の刃」が人気となる中、岐阜大の研究者が日本刀の「強さ」を科学的に分析する研究に取り組んでいる。金属の強度分析が専門で、日本刀を鑑賞するうちにその美しさに魅せられたといい、鎌倉時代の「正宗」の名刀をはじめ、今は失われた古来の製法をいずれ解き明かしたいという。
岐阜大教育学部の中田隼矢(としや)准教授(41)は室蘭工業大大学院を修了後、神戸製鋼所の研究所や岡山大に勤務。自動車の部品の強度などを研究してきたが、岐阜大に赴任後の2019年冬、日本刀と出会った。岐阜県には名刀工「関の孫六」でも知られる「刃物のまち」の関市がある。教員を志す学生に県内の伝統産業を教えようと、中田さん自身が日本刀について学び始めたのがきっかけだ。
まずは、日本刀の収蔵で知られる佐野美術館(静岡県三島市)に通った。月1回、文化財級の日本刀を鑑賞する催しに参加。刀に向かって一礼し、居ずまいをただして刀を手に取った。
刀が生まれた歴史的背景、美…