国道脇の花壇で座り込む高齢男性 看護師が車中から気付いた違和感

吉村駿
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 群馬県高崎市に住む看護師の吉井優さん(34)は3月13日、友人の平(たいら)和人さん(32)と車で買い物に出かけていた。

 その道すがら。市内の国道で1人、歩道の花壇に座る高齢の男性を車内から見かけた。白髪交じりの髪は肩まで伸びており、顔は見えなかったが、下を向いて困っているようだった。

 仕事で高齢患者と接することが多い吉井さん。「患者さんに何かあった時のため」と、行方不明者や不審者情報などを発信する県警の防犯メールにも登録していた。

 「もしかしたら行方不明になっている人かも」。メールを見返してみた。すると12日の夕方に「高崎市内で、白髪交じりで長髪の高齢男性が行方不明になっている」とメールが届いていた。

 「さっきの人に違いない」

 運転手の平さんに声をかけた。「ちょっと戻ってくれる?」。男性がいた場所まで引き返し、声をかけた。男性は自宅が分からなくなり、一晩中歩き続けていたという。

 実は平さんも看護師。男性の体力が落ちていると判断すると、持っていたペットボトルの水を手渡した。男性は水を全て飲み干し、元気になった様子で歩き始めた。その後は、2人の通報で駆けつけた高崎署員に無事保護されたという。

 2人は4日に高崎署で、川端雅由・署長から感謝状を受け取った。吉井さんは「高齢者と関わる仕事が生きて良かった」。平さんは「何より大切な一つの命を救えて光栄です」と話した。(吉村駿)