半年で20匹以上の命救った じわり浸透、幸せ運ぶ保護カフェ

有料会員記事

長田豊
[PR]

 飼い主のいない野良猫や、無秩序な飼い方で増えすぎて飼育できなくなる「多頭飼育崩壊」を生き抜いた猫たちを保護し、新たな飼い主を探す「保護猫カフェ」。ボランティアや個人経営など形態は様々だが、共通するのは、不幸な猫を1匹でも減らしたい、との思いだ。

 松山市中心部の住宅街に昨年9月、「保護猫カフェNyacotto(ニャコット)」がオープンした。築約75年の古民家を改装した店内に20匹ほどの保護猫たちが暮らし、この半年で20匹以上の新たな飼い主が決まる順調な滑り出しを見せている。

保健所でショックを受けた

 店主の大野恭子さん(42)は約8年前、「猫が飼いたい」という知人に同行して市保健所に出向いた際、殺処分を待つ子猫の多さにショックを受けた。年数匹の子猫を個人で保護施設から引き出してSNSなどで飼い主を探すようになり、保護猫団体とも関わるようになったという。

 一昨年からのコロナ禍で飼い主希望者を会場に集めて保護猫たちと引き合わせる譲渡会の開催が難しくなった。同じ頃、保護猫を人と触れ合わせて飼い主を探す保護猫カフェの存在を知った大野さん。「猫の見た目だけで飼い主を探す譲渡会と違い、カフェなら猫の性格や普段の姿も見てもらえる。合理的なシステムだと思った」。昨春、保護猫ボランティアの関係者が管理する物件をカフェとして使えることが決まり、開店が一気に具体化。一昨年末にコロナの影響で飲食店のアルバイトの職を失ったこともあり、カフェの開店準備に専念してきた。「コロナで人生が変わった」と振り返る。

 経費は主に利用者の寄付金でまかない、えさなどの現物寄付も多い。「世話してきた猫たちを安心して新しい飼い主の元へ送り出せた時が、何よりうれしい」

なりわいで成功例も

 保護猫カフェを生業として成り立たせた例もある。高知市中心部の市中央公園近くのビルにある「保護猫カフェmoco moco(モコモコ)」。保護猫活動歴15年の尾崎圭美(よしみ)さん(39)が2019年2月22日の「猫の日」に開き、今年の「スーパー猫の日」に3周年を迎えた。この3年間に新しい飼い主が決まった保護猫は約100匹に上る。

 尾崎さんは、開店直前までの10年以上、中央公園で週末に開かれていた保護猫の青空譲渡会に参加していた。郵便局の夜勤を続けて、保護した猫たちの治療費などを捻出してきたが、開店後はカフェの運営に専念できている。「猫を仕事にできて本当に良かった」

 1994年から松山市を拠点に活動する認定NPO法人「えひめイヌ・ネコの会」も、市内に保護猫の飼い主を探す「猫カフェひめねこ」を開設している。

 高岸ちはり代表(69)によると、8年前の開設当初は「保護猫カフェ」の認知度が低かったため「猫サロン」と呼んでいたが、利用者は少なかった。まもなく名称を「カフェ」に改めたところ、月平均2~3匹程度のペースで飼い主が見つかるようになったという。

 ただ、コロナの影響でカフェは一昨年春から休業が続き、昨年11月に再開したばかり。高岸代表は「多くの人に活動を知ってもらえるよう発信したい。昨年中止した『猫の日』に合わせた写真展も今年は開催したことで、来場者から新たな飼い主希望の問い合わせもあった」と話した。

不幸な猫を一匹でも減らしたい。そんな願いをかなえる保護猫カフェが、あちこちにできています。一方で、野良猫を増やさない対策も欠かせません。記事後半では、積極的な取り組みを紹介します。

野良猫を増やさないために

 猫は1回の出産で4~8匹の…

この記事は有料会員記事です。残り1249文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら