「技術者のため、法廷に立った」 導入プログラムの違法性を問われて

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阿部峻介
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 4年にわたる裁判闘争は、あるプログラムをパソコンに導入したことから始まった。同じように立件された人たちが罰金刑を受け入れるなか、自ら法廷に立つ道を選んだのはウェブデザイナーの諸井聖也さん(34)。今年1月に最高裁で無罪判決を勝ち取り、「自分や妻の名誉より、ほかの技術者への責任をより強く感じていた。本当にほっとした」と話す。

 20歳ぐらいの時に調理師をやめた諸井さんは、上京して初めて自分のパソコンを持った。触っているうちにホームページを作る技術を知り、趣味で立ち上げた10以上のサイトのうちの一つに、「コインハイブ」というプログラムを導入した。2017年秋のことだ。

挙式の直前、突然やってきた警察官

 翌18年2月、神奈川県警から携帯に電話がかかってきた。「とある事件で協力して欲しい」。職場に迎えに来た警察車両に乗って自宅に戻ると、「不正指令電磁的記録保管罪」と書かれた家宅捜索の令状を示された。挙式を間近に控えていた諸井さんは不安でいっぱいになり、約9時間の捜索が終わってから「おなかが痛い」とツイッターでつぶやいた。

 コインハイブは、サイトを閲…

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