女性議員はなぜ少ないのか 長野智子さん、常見陽平さんが徹底討論

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 なぜ日本は女性議員が少ない状況が続いているのか。そもそも政治家という仕事は女性にとって魅力的なのか? 選挙の候補者の一定割合を女性に割り当てる「クオータ制」の超党派勉強会で事務局長を務める長野智子さんと、働き方評論家の常見陽平さんをゲストに迎え、秋山訓子編集委員が「朝日新聞ポッドキャスト」の収録で聞きました。

――お二人は朝日新聞デジタル「コメントプラス」のコメンテーターですが、女性と政治の関連でお二人がコメントをした記事がありました。熊本市議会で女性議員を増やすために、ある市議が「ナンパしていこう」と発言したという記事です。

常見:本当にね、何を言ってんだろうと思った。笑止千万のひどい発言ですよ。僕自身の問題意識は、ナンパで連れて来られるほど今の政治家は魅力的な仕事なのかな、というツッコミどころにある。誰も真剣に考えていないんじゃないかと思っちゃった。

長野:ナンパという言葉は、英語で「pick up girls」。女の人だったら誰でも声をかけて誘っちゃおうよって、基本的な発想が間違っています。誰でも彼でも声かけてじゃなくて、「(政治を)やりたい」って言っている人たちにとって壁になっているものを取り除くのが政治家の役目です。全然最初から違う、って思って書きました。

――長野さんがやっている「クオータ制」勉強会の女性議員たちが、女性の国政進出を阻む壁について徹底議論しようというオンラインイベントが今月開かれます。衆議院は女性の割合が1割を切っている状況ですが、なぜ日本は女性議員が少ない状況が続いているとお考えですか。

長野:先進国はこの30年間でどこの国も増やしているんですよね。勉強会でいろんな意見が出てきた中で、壁になっているのは「選挙のあり方」でした。とにかく選挙で候補者になることがハードすぎる。衆議院の小選挙区制度では、(政党が)どうしても現職優先という中で、女性候補者を立てることが難しい。

 あとセクハラパワハラや、国会議員になったらなったで議員の働き方が本当にあり得ないくらい大変すぎるという問題もあります。ずっとこの勉強会をやって感じているのは、そもそも議員たちのこの問題に対する関心が低いことです。

日本の女性議員が少ない現状はなぜ変わらないのか。男性議員の本音や各党の本気度はどうなのか? 記事後半では、1時間に及んだ長野智子さんと常見陽平さんの対談をポッドキャストでもお聞きいただけます。

まともに考えたら政治家なんてしない?

常見:自分の専門分野である働き方に引きつけてみたいのですけど、男女関係なく、まともな人は政治家って仕事は魅力的じゃないんじゃないですか、っていう話なんです。まともに考えたら政治家なんてしませんよ。だって仕事としての魅力度が薄いんだもん。

 それでね、大学新卒採用時、従業員1千人以上の(企業の)男女比、どれくらいだと思います? 実は半々くらいなんです。

――ええ! そうなんですか。

常見:この事実に気づくべきだよということね。女性にとって働きやすい職場が増え、魅力的な選択肢が増えた。もっというと、社会の変え方が変わってしまったということです。政治家にならなくても社会って変えられる。女性が政治家を志望しないってことって、真っ当な判断なんじゃないか。

長野:私も同じ疑問を持ってい…

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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2022年4月7日9時28分 投稿

    【視点】このテーマで男性と公の場で対論したのは初めてで、とても刺激的な議論になりました。常見さんは女性議員が増えることや、国会にもっと多様な意見が反映されることに賛成派の男性ですが、それでも男性の視点を伺うことでたくさんの気づきがあります。反対の意

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    常見陽平
    (千葉商科大学准教授・働き方評論家)
    2022年4月7日9時13分 投稿

    【視点】■女性政治家をめぐる国民的議論を創造的に爆発させよ!  学生、労働者、市民諸君!朝日新聞を読んでいて本当によかった。朝日新聞デジタルに長野智子さん、秋山訓子さんとの鼎談が掲載されたのだ!ぜひ、一字一句読み、職場、学園に広めてほしい。Pod