「安くて当たり前」でいいのか 水害と向き合う農地で聞いた危機感

有料記事

編集委員・佐々木英輔
[PR]

 関東平野を流れる利根川には、堤防がまわりよりも低い場所がある。

 千葉県我孫子市、JR常磐線の天王台駅から市街地を抜け、坂を降りると広大な田んぼと畑が広がっていた。その場所までさらに歩いて30分。近づくと、堤防はコンクリートで覆われスロープになっていた。

 この広い農地は田中調節池と呼ばれる区域だ。西の柏市にまたがり、つくばエクスプレスの線路付近まで長さは10キロほど。低い堤防は越流堤で、洪水時はここから川の水を農地へ逃す。東日本各地に被害をもたらした2019年の台風19号では6100万トン、東京ドーム49杯分の水をため、対岸の二つの調節池と合わせ水位を1・1メートル下げたという。

 「今までで一番、水の勢いがあった。泥や稲わらが流れ込んできた」。調節池で農業を営む染谷茂さん(72)はこう振り返る。台風が過ぎてから、遅れて水が届くまでの間に稲刈りを急いだが、稲と大豆の計45ヘクタールが水没してしまった。

 もちろん、リスクが前提の場…

この記事は有料記事です。残り610文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(秋トクキャンペーン中)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。

【10/18まで】有料記事読み放題のスタンダードコースが今なら2カ月間無料!