「日本語ってタマネギみたい」北欧出身の漫画家オーサさんが語る魅力

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聞き手・山根祐作
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 「言葉の勉強はスポーツのようだと思います」。日本でプロの漫画家として活躍するスウェーデン出身のオーサ・イェークストロムさん(38)は、日本語の習得の過程をそう振り返ります。日常生活の中で見つけた「日本の不思議」についてユニークな視点で描く作品の数々は、日本人読者にとっても新鮮な発見に満ちています。幼いときにテレビで見た「セーラームーン」の魅力のとりこになって、日本で漫画家になることを夢見たというオーサさん。「タマネギみたい」に奥が深いという日本語と、どのように向き合ってきたのでしょうか。

オーサ・イェークストロム 1983年、スウェーデン生まれ。本国でイラストレーター、漫画家として活動後、2011年に東京へ移り住む。15年、東京デザイナー学院を卒業。同年に「北欧女子オーサが見つけた日本の不思議」で、日本で漫画家デビュー。著書に、同書シリーズの他、「北欧女子オーサのニッポン再発見ローカル旅」「北欧女子オーサ日本を学ぶ」(いずれもKADOKAWA)などがある。

 ――スウェーデンご出身ですね。どんな子どもだったのですか?

 「ストックホルムの郊外にある人口4万人ぐらいの小さな街で育ちました。静かでおとなしく、本が大好きな子どもで、特にファンタジー小説を読むのが好きでした。当時は眼鏡をかけていましたし、オタクになる運命だったのかもしれません」

 ――日本の漫画やアニメとの出会いは、どのようなものだったのでしょうか。

 「13歳のとき、テレビで放送されていた『美少女戦士セーラームーン』を見て、一気にはまってしまいました。私は強い女性に憧れていたので、主人公がみんな女性であることに感激しました。セーラームーンは、それまで見たアニメとは全然違って、子ども向けアニメなのに内容が大人っぽい。登場人物が死んでしまうようなダークな部分があることにも驚きました。セーラームーンの影響を受けて、自分で漫画を描き始めたんです。日本にもいつか住んでみたいと思うようになりました」

 「でも、スウェーデンでは、子ども向け番組の暴力シーンは厳しく規制されるので、セーラームーンも何度も放送中止になりました。そのたびに、オタクのファンが結束してテレビ局に苦情の手紙を書いて、放送を再開させたこともありました」

「えっ、これフィンランド語?」

 ――日本語を初めて聞いたのはいつごろでしたか?

 「14歳のとき、英語字幕が付いた日本語版のVHSビデオで見たアニメ『少女革命ウテナ』で、初めて日本語を聞きました。日本語の印象は『えっ、これフィンランド語?』というものでした。隣の国フィンランドの言葉と発音が似ていたんです。それから、日本の声優さんの声がとても高いことにも驚きました。私は子どもの頃、周りの大人から声が高すぎると言われていたので、私の高い声も日本でなら受け入れてもらえるかも、と思ったりしました」

 ――スウェーデンの学校では、子どもはいつから外国語を勉強するのですか。

 「9歳か10歳ぐらいから英語の勉強が始まります。12歳か13歳ぐらいから他の言語を勉強します。私は日本語が勉強したかったのですが、当時はフランス語、ドイツ語、スペイン語から選ばなくてはいけなくて、フランス語を勉強しました。辞書を片手に、フランス語版の日本の漫画『ベルサイユのばら』を読んだこともありました」

 ――19歳のときに初めて日本を訪れたのですね。

 「高校を卒業してから、半年…

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