「コロナ鎖国」は何だったのか 訪日望む人を足止め、透けた日本社会

有料会員記事新型コロナウイルス

聞き手・大牟田透 聞き手・真鍋弘樹 聞き手・池田伸壹
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 コロナ禍での厳しい水際対策で、留学生ら訪日を切望する人たちの足止めが続いた。「コロナ鎖国」とも言われたこの措置は、私たちの社会のどんな姿を示しているのだろうか。

「ゼロリスク信仰」が決断を遅らせた 関西福祉大学教授・勝田吉彰さん

 危機管理の原則は、えたいが知れないときはまず厳しく対応の網をかけ、だんだん中身が分かってくると必要のないものは外すことです。

 オミクロン株でも、最初に外国人の入国をいったん禁止する、というところまではよかった。

 検疫は国内での感染を後ろにずらし、稼いだ時間で何らかの対策を取るためのものです。年末年始の帰省シーズンに、新幹線の中がウイルスだらけにならなかったというのは大きな達成点でした。

 米軍が水際対策なしで入ってくるというのは想定外でしたが、そうしたいろいろな事情で国内でオミクロン株が広がってくると、海外から流れ込むパイプを閉める意味はあまりなくなってきます。そこで速やかに入国を再開すればよかったのですが、それが遅いというのが実感でした。

水際対策強化の目的は『時間稼ぎ』にあるとする勝田吉彰さん。オミクロン株が国内で拡大した後も入国禁止を続けた背景に、日本の「ゼロリスク信仰」があると論じます。記事後半では、近畿大准教授の村山綾さんが、社会心理学の観点から日本の「鎖国」政策を批評。南山大学国際センター長の山岸敬和さんは、日本の留学生への視線と留学生がもたらす国益を語ります。

 これは行政だけの問題ではあ…

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    江渕崇
    (朝日新聞経済部次長=日米欧の経済)
    2022年4月8日0時48分 投稿
    【視点】

     これだけの深刻な弊害が指摘されていても、ウイルス侵入を防いだり遅らせたりする効果が「鎖国」にあったのなら、ほんの少しは救われるのですが、それも怪しいのではないか、というのが実体験に基づく印象です。  私は昨年、駐在先だった米ニューヨーク

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    蟹江憲史
    (慶應義塾大学大学院教授)
    2022年4月7日23時56分 投稿
    【視点】

     この記事では「コロナ鎖国」が過去のことのように扱われていますが、「コロナ鎖国」は現在進行形です。ようやく4月10日入国者数が一日1万人まで引き上げられることになりましたが、入国者に枠を設けていること自体、鎖国状態の継続を意味します。

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