かつて応仁の乱、いまやビール業界 西陣いろどる勢力図に異変
古都ぶら
京都のビールがすごいらしい。酒好きの友人からそう聞いた。この街でアルコール類というと、真っ先に思い浮かぶのは伏見などの日本酒。でも、時代は変化している。歩いてみると、意外な場所に「すごい」はあった。(大貫聡子)
日曜の昼下がり、工場らしき建物に次々と、人が吸い込まれていく。「営業中」の看板を頼りに足を踏み入れると、「乾杯!」とビールを楽しむ人たちがいた。
小さなビールの醸造所「ウッドミルブルワリー・京都」のタップルーム(工場内バー)だ。
定番商品で一番人気は、はっさくを丸ごと使う「はっさくホワイト」。一口飲むと、さわやかな柑橘(かんきつ)の香りが口いっぱいに広がった。
ここは、京都が誇る伝統工芸・西陣織の工房が集まる京都市上京区の西陣かいわい。
ウッドミル代表の辻本大和さん(48)は、元々は京友禅の職人だ。2011年3月の東日本大震災などもあり、仕事が激減。中京区で祖父の代から続いた家業を畳んだ。
さて次は何をしよう。思いついたのが、クラフトビールと呼ばれる、小さな醸造所で生産される個性的なビール。大好きだからだ。
14年、大阪府高槻市の酒造会社で働きだす。ビールの醸造方法を学ぶと、新たな思いが高まった。
西陣織の工場で
「自分で造ってみたい」
西陣織ネクタイの工場だった…
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