カムカムエヴリバディあす最終回 米米・金子隆博の音楽 祈りこめて

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土井恵里奈
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 あす、ついに最終回を迎える。朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の音楽担当は、作品に込められた思いを「祈り」と話す。

 「愛だと思います」

 作曲家・金子隆博(58)はドラマのテーマについてそう語る。1982年に結成した人気バンド「米米CLUB」のメンバーで、数々の音楽を作ってきた。だがこのドラマには格別の思いがある。

 「3人の女性が時代時代を精いっぱい生きていく。そこにサニーサイドが寄り添う」

 朝ドラにとって、音楽は主人公の相棒に近い。ヒロインに伴走し、支える。この作品のために作った楽曲は200を超える。

ままならぬ人生、祈りの音

 朝ドラ史上初めて3人の主人公を描くドラマは、変化の激しい展開を見せてきた。昭和、平成、令和、そして岡山、大阪、京都。時代も場所も主人公も移り変わる。

 共通しているのは、思い通りにはいかない人生。初代主人公安子(上白石萌音)は結婚からまもなく夫と死別、働いて働いて、それでも娘と暮らせなくなる。2代目のるい(深津絵里)は母へのわだかまりを抱えて育ち、夫の錠一郎(オダギリジョー)はデビュー直前にトランペットを吹けなくなる。

 なぜ、こんなことに。どの登場人物も思わぬ出来事に翻弄(ほんろう)され、もがく。

 「祈りに近い音楽がいいと思ったんです。アメージンググレースのような。ゴスペルっぽいとかブルースっぽいとか、捉えられ方はいろいろだけれど、心にシンプルに入ってくるメロディー」

ジャズ界のレジェンドたちと

 音にもこだわった。物語のテーマの一つがジャズだからなおさら。

 日本ジャズ界のレジェンドたちに演奏に加わってもらった。

 クラリネット奏者の北村英治、サックスの渡辺貞夫。80代、90代になっても世界で活躍する現役プレーヤーで、2人の駆け出しの1960年代は、若かりしるいや錠一郎の時代でもある。

 過酷な戦後の焼け跡を生き抜いてきた、血の通った音色。生きた響き。

 「貞夫さんは90年近くかかって今の音にたどり着いている。プレーヤーは一生かかって自分の音を作っていく。そういう音に物語全体を包んでもらえたらと」

■米米再結成直前に

 物語では錠一郎が突然吹けなくなる悲劇が描かれたが、自身も同じような経験がある。体の一部のようだったサックスを、吹けなくなったのだ。現役バリバリの42歳、一時解散していた米米が再結成する時期だった。

 局所性ジストニアという難し…

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