唐招提寺、国重文の御影堂修理完了 報道公開

米田千佐子
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 奈良市唐招提寺で6日、修理の終わった御影堂(みえいどう)(国重要文化財江戸時代前期)が報道陣に公開された。奈良県庁舎や裁判所としても使われた寝殿造りの建物が修理され、日本最古の肖像彫刻とされる鑑真和上坐像(がんじんわじょうざぞう)(国宝)が戻るのを待つ。

 御影堂は興福寺の別当坊の一つで、皇族や摂関家の子弟が入門した門跡寺院「一乗院」の建物だ。「宸殿(しんでん)」と呼ばれる表向きの御殿と、「殿上及び玄関」の2棟から成る。現存の建物は1649(慶安2)年の築造で、平安時代に代表的な寝殿造りの趣が残る。県庁舎や地方裁判所にも使われ、1964(昭和39)年に唐招提寺に移築された。

 近年は地盤沈下による玄関の開け閉めの不具合や雨漏りなどの問題が続いていた。県文化財保存事務所が2015年度から調査に取りかかり、17年度に工事に着手した。工事の総事業費は6億9300万円。

 地盤沈下に対処するため、建物を持ち上げ、レールと鉄柱を使って北側に約30メートル動かした。9メートルの杭を打つなどし、建物を元の位置に戻した。屋根の銅製の板をすべて新調してふき替え、耐震補強、ふすまや欄間の補修もした。

 鑑真和上坐像や東山魁夷さんが奉納した障壁画は5月末、御影堂に6年ぶりに戻る予定だ。

 岡本元興長老は「公開できる日を心待ちにしていた。新型コロナで毎年の鑑真和上坐像の公開もできなかった。花が咲くように気分が盛り上がって、一日も早く正常な参拝ができるように、と思う」と話す。

 6月5日に関係者のみで落慶法要を営み、同月6、7日に事前予約制で特別拝観がある。

 特別拝観は午前9時~午後5時。各回約1時間の1日8回、定員各30人。当日、1口1千円の寄付を納める。唐招提寺(〒630・8032 奈良市五条町13の46)宛てに、住所、氏名、年齢、電話番号と希望日時を第3希望まで書いてはがきで申し込む。参加者には案内状が届く。(米田千佐子)