生みの親は別に…でも戸籍は「長男」 里親夫婦が始める「真実告知」

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足立菜摘
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 「はじめまして。20歳のお誕生日おめでとう」

 2枚の便箋(びんせん)に大きく丁寧な字でつづられた手紙は、こんなあいさつで始まっている。青空柄の封筒に、差出人や受取人の名前はない。

 手紙は、松山市で美容師をしている蔵下誠さん(50)と由美さん(41)夫妻の長男、遥充(はるみ)くん(1)に宛てられたもの。あいさつの後、こう続く。

 「育てられなくて、ごめんなさい」

 夫妻の自宅1階の美容室で、由美さんがスマホで撮った戸籍を見せてくれた。

 「長男:遥充」

 その下の欄に、「民法817条―2による裁判確定日」と書かれている。

 日付は今年2月のもの。この日、遥充くんは「特別養子縁組」という制度で、夫妻の実子になった。

 「長男と書かれて、本当にうれしかった」

 その日を思いかえす誠さんのひざの上で、遥充くんがじゅっじゅっと音を立てて哺乳瓶を吸っている。

 「産んでも育てられない」

 産婦人科を受診した女性が、そんな相談をすることがある。

 経済的な困窮、性暴力による…

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    秋山訓子
    (朝日新聞編集委員=政治、NPO)
    2022年4月10日8時35分 投稿
    【視点】

    日本は、里親になることや特別養子縁組をすることがとてもハードルが高い。もちろん、人の人生がかかっていることだから慎重に…とも思うが、それにしても、というほどに高いし、記事中にもあるように知られていない。元厚労相の塩崎恭久氏が里親になろうとし