交論
今年で結党から100年を迎える日本共産党は、一度も政権についたことはありません。現在の政治状況の中で、どのような可能性があるのでしょう。国際的な視点からの分析を含め、「ゲームチェンジャーになりうる」とする政治学者の中北浩爾さんに聞きました。
――共産党が結党100年を迎えます。日本で一番古い政党ですが、与党になったことはありません。
「被支配階級が支配階級を倒して国家権力を握るという意味での革命を、共産党は一貫して追求してきました。2004年に制定された現在の綱領でも、アメリカへの従属と大企業・財界の支配を打破するための民族民主革命が、当面の戦略目標です。だから自民党はもちろん、建設的な労使関係の構築を唱える連合とも相いれません。野党共闘がうまくいかない一因は、そこにあります」
なかきた・こうじ 1968年生まれ。一橋大学教授。「自公政権とは何か」など著書多数。5月に「日本共産党」(中公新書)を出版予定。
――共産党もここ二十何年かで徐々に柔軟化し、野党共闘を重視しているのでは。
「共産党の綱領や文書を十分に読み込まずに、もはや事実上の社会民主主義政党になったと評価する識者もいますが、誤りです。柔軟化したとはいえ、マルクス・レーニン主義(共産主義)を放棄していません」
――天皇制はどうですか…
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【視点】党創立100周年を迎える日本共産党という個性的な政党を、真正面からとらえたインタビュー。長く複雑な歴史があるだけに相当な知識が必要で、論ずるのがとても難しいテーマでもあります。 この記事にも出てくる「アメリカや大企業・財界への敵視」が