戦艦大和の遺族、ウクライナ思い「戦争なくして」 沈没77年追悼式

能登智彦
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 広島県呉市で建造された戦艦大和が沈没して77年となった7日、呉市上長迫町の長迫公園(旧呉海軍墓地)で追悼式があり、遺族ら約220人が参列した。

 主催した「戦艦大和会」の小笠原臣也会長はロシアのウクライナ侵攻に触れ、「国際秩序を根底から崩す軍事行動がみられる。世界平和に貢献する私たちの使命と役割を痛感している」とあいさつした。参列者らはその後、慰霊碑の前に設けられた献花台に花を手向け、平和な世を願った。

 大和の航海長だった茂木史朗さんを亡くした長女の汀子さん(86)=愛媛県砥部町=は「足が悪いので、最後と思って、おいと参列した。生前の父は優しかった。自宅を出る父を『さようなら』と言って見送ったのを、いまもはっきりと覚えている。ウクライナでは子どもも犠牲になっていると報じられ、かわいそうでならない。戦争をなくしてほしい」と取材に語った。

 大和は1945年4月7日、沖縄に向かう途中の鹿児島県沖で米軍機の攻撃を受けて沈没。乗組員3332人のうち3056人が亡くなったとされる。(能登智彦)

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