鈴木誠也がいなくても 「粘り」のカープ、支える新8番の存在感

広島東洋カープ

辻健治
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 (7日、プロ野球・広島9―2巨人)

 主砲・鈴木誠也(現カブス)が抜けた広島カープ打線で、その穴を埋めて余りある「粘り」が光っている。カギは下位。特に新たな8番に定着した上本崇司の台頭だ。

 この日も同点の二回、存在感がにじんだ。先頭の6番長野久義が四球で出ると、続く新人・末包(すえかね)昇大(大阪ガス)が右前安打でつなぎ一、三塁。上本は遊ゴロ併殺打となったが、その間に勝ち越し点をもぎ取った。「ゲッツーでもいい、走者を進めようと開き直った」

 広島・広陵高から明大を経て入団した31歳は、昨季まで内外野の守備固めでの出場が主だった。

 だが、10年目の今季は打撃好調で初の開幕スタメンに。3月31日の阪神戦では、チームが苦手とする右腕・秋山拓巳から同点打。球団記録に並ぶ開幕6連勝を引き寄せた。

 「後ろにつなぐ意識しかない。打席で慌てなくなってきたのが大きい」。前日までの打率は3割5分5厘でリーグ2位、出塁率はチームトップだ。佐々岡真司監督は「本当にいいつなぎをしてくれている」。

 7日までの本塁打は首位巨人が15本も放っているのに対し、広島は3本でリーグ最少。だからこそ、つなぐ攻撃を徹底。チーム打率2割6分6厘はリーグトップで、計60得点は12球団トップだ。

 首位との直接対決でカード勝ち越し。「まだレギュラーじゃない」。がむしゃらに働く8番打者が、好調な広島を支えている。(辻健治)