ロシアの侵攻で各地から逃れて来た人たちが過ごすウクライナの避難所で、「日本発」のアイデアが貢献している。紙管と布を使った間仕切りで避難民が生活する場所を区切り、他人の目に触れない場所を確保する。避難している間、少しでも安らぎを得て欲しいとの試みだ。
ウクライナ西部リビウの南部にある体育館では、約120人分が休めるスペースがあり、数十人がそれぞれの場所で自分たちの時間を過ごしていた。
間仕切りは、建築家の坂茂(ばんしげる)さんが国内外の災害被災地の避難所で提案してきたものがベースになっている。紙製の管を柱と梁(はり)として組み合わせて、約2メートル四方の枠にする。そこから布をたらしてカーテンにするという構造だ。
「以前は学校の避難所にいたのですが、プライバシーはなかった。いまは気持ちよく過ごせています」
北東部ハルキウから3月上旬に逃れてきたハペルスカ・オクサーナさん(39)はそう話した。娘のナスチャさん(15)、カロリーナさん(6)、逃れる途中に知り合ったボーダンさん(19)と同じスペースで、2週間以上暮らす。再婚した夫(30)はハルキウで戦闘に参加しているという。
ハルキウはロシアの攻撃が激…