第1回統計では「みえない」魔の交差点 突き止めた記者、警察が動き始めた

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山崎啓介
【動画】みえない交差点
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Premium A × A stories 「みえない交差点」

 そこは、どこにでもあるような小さな交差点だった。

 信号機も、横断歩道もない。あとから「どんな場所だった?」と聞かれると説明に困ってしまうような、なんの変哲もない十字路だ。

 だが、近所の住民は冗談交じりにこう教えてくれた。

 「『またあそこで事故みたいよ』があいさつ代わりの場所ですよ」

謎の不一致

 交差点は静岡県沼津市、JR沼津駅から北西に車で10分ほどの、住宅や店舗などが点在する場所にある。南北に走る片側一車線の市道と、乗用車がすれ違うのがやっとの狭い橋を渡る東西の市道が交わっている。

 この交差点を訪れたのにはわけがあった。

 警察庁では全国の人身事故のデータをホームページで公開している。現在は2019年と20年の2年分、計約68万件の事故の詳細が、誰でも見られるようになっている。

 各地には、地元で「魔の交差点」と呼ばれるような場所がある。データを分析することで、そうした事故の多発地点をまとめて見つけ出せるのではないか――。

 今回取材班は、道路政策に詳しい久保田尚・埼玉大大学院教授の監修を受けてこのデータを分析。その結果、全国的にも特に事故が多い交差点の一つとして浮かび上がったのがこの場所だった。

 だがこの交差点には、事故が多いというだけでない不可解な点があった。

 警察庁が公開した68万件の人身事故データを独自に分析すると、信号機がないような小さな交差点でも、その都道府県でトップクラスの事故多発地点となっている場所が各地にあることがわかりました。警察がまとめる統計に姿を見せない「みえない交差点」。その実態に連載で迫ります。

 人身事故が多発している交差…

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    前田直人
    (朝日新聞コンテンツ戦略ディレクター)
    2022年4月13日20時2分 投稿
    【視点】

    プレミアムAは、テキストだけではない多彩な表現手法を駆使した新しいジャーナリズムのかたちをめざして、朝日新聞社が育ててきたリッチコンテンツの企画シリーズ。Aストーリーズは逆に、テキストの強みをいかした選りすぐりの連載企画シリーズ。今回はその

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    能條桃子
    (NoYouthNoJapan代表)
    2022年4月13日10時11分 投稿
    【提案】

    この「みえない交差点」の取り組みすごくいいなと思っています。 今回の件だけじゃなく、朝日デジタルの、デジタルだからこそのビジュアライゼーションや情報量を利用した素敵な取り組み(ナガサキノート、海からみた被災地が特に好きです)はもっと広まっ