床をはって移動、2年3カ月入浴できず 車いす不許可で受刑者が提訴

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保坂知晃
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 2年3カ月にわたり入浴ができなかった――。収容先の岐阜刑務所から不当に扱われて精神的な苦痛を受けたとして男性受刑者(70)が8日、国を相手取って154万円の損害賠償を求める訴えを岐阜地裁に起こした。

 訴状によると、男性は2011年1月に大阪刑務所から岐阜刑務所に移送された。足腰が弱く自力で歩くのが難しかった男性に対し、「大阪」は車いすの利用を許可。だが、「岐阜」は男性の再三の訴えにもかかわらず、昨年2月までの約10年にわたり利用を認めなかった。男性側は「床をはっての移動を強いられた」と主張している。

 14年12月には歩行器の使用は認められたものの、それまでの約4年間、戸外の運動場に行くことができなかった。風呂にも約2年3カ月間入れず、タオルで体を拭くことでしのいだ。部屋から浴場まではってたどり着けなかったのだという。

 刑務所での処遇について男性…

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