家計苦しくてもバイトできず 放課後の自由奪う部活の全員加入、なぜ

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編集委員・中小路徹
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 新年度。学校の部活動をどうするか、生徒のみなさんが考える時期でもある。そんな中、一部の学校には、「なぜ?」と思ってしまう慣行が今もある。

 それぞれが何らかの部に入らなければならない「全員加入」だ。

 「生徒の自由を認めて」

 日本若者協議会は「部活動強制加入」撤廃に関する要望書を先月、スポーツ庁に出した。若者の声が政策に反映されることをめざす一般社団法人だ。約8900人の賛同者の署名が添えられた。

 同団体が中高生らに実施したウェブ調査には、放課後も学校に拘束されることへの疑問が噴き出す。

 「やりたい部活がなかったため、所属した部活に魅力を感じなかった」

 「生活スタイルが多様化する現代では、部活以外の過ごし方を広く認めるべきだ」

 「兄弟が多く家計が苦しかったため、(学校の許可が必要な)アルバイトをしたかったが、させてもらえなかった」

 近年はサッカーなどの地域クラブも増え、学校外のスポーツ、文化活動の場は広がっている。塾に通いたい生徒もいれば、家庭に部活ができない事情がある生徒もいる。

 こんな声もあった。

 「美術部だったのですが、一番緩かったがために幽霊目的の部員が押し寄せ、まじめにやりたい身としては困りました」

 部活に入りたくない生徒だけでなく、部活を一生懸命やりたい生徒も困る状況が生み出されている。

 部活動は、国が定めた学習指導要領で「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」と、教育課程外に位置づけられる。全員加入は、そもそもがそれと矛盾するのだ。

 しかし、2017年にスポーツ庁が集計した「運動部活動等に関する実態調査」では、全国の公立中の32・5%が、この全員加入制(文化部を含む)をとっていた。

 なぜ、こうした慣行があるのか。

「全員加入は校則の議論と似ている」

 「一番の問題は、保護者や先…

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