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隠れた危険交差点、全国に78カ所 身近な生活道路の事故明らかに

山崎啓介
【動画】みえない交差点
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 身近な生活道路の小さな交差点で、人身事故が頻発している場所が全国各地にあることがわかった。警察庁が公開する約68万件の事故データを独自に分析したところ、そうした交差点で年6件以上の人身事故が発生している場所は19都道府県、計78カ所見つかった。中には発生件数が県内トップクラスの交差点も複数あったが、その多くは地元の警察本部が統計上、事故多発地点として把握していなかった。専門家は「交通事故死をさらに減らすためには、生活道路への防止策を広めることが急務だ」としている。

 警察庁は2020年から、全国で発生した人身事故のデータを同庁のホームページで公開。現在19年と20年の2年分、計約68万件のデータが誰でも見られるようになっている。事故ごとに、発生した日時や当事者の年代、天気、道路の形状など、58項目にわたる情報が含まれている。

 取材班はそのうち、発生場所の「緯度」と「経度」に注目。狭い範囲で事故が密集している交差点を、独自のプログラムを開発して特定した。

 2年間の合計で事故が最も多かったのが、静岡県沼津市西沢田にある市道交差点。計22回の人身事故があり、少なくとも31人がけがをしていた。同県富士市の富士岡交差点(19回)、神戸市西区の西神2号線から西神中央線への合流地点(18回)が続いた。

 その県内でトップクラスの事故多発地点も複数の地点で確認できた。青森県十和田市の市道交差点は、2020年に9回の人身事故が発生。千葉県横芝光町の県道と町道の交差点では同年に12回の事故があった。両地点とも、県警がホームページなどで発表している危険交差点のワースト1位とは別の交差点で、事故件数も上回っていた。

 68万件のオープンデータで人身事故の特徴を探ると、事故が起きた場所で最も多かったのが直線やカーブなどの「単路」で、50.7%にあたる34.5万件。交差点内は41.7%にあたる約28.4万件だった。単路での事故の多さは追突事故が押し上げており、どちらの年も全ての事故のうち3割以上を追突事故が占めていた。

 19、20年の死亡事故は計5908件で、うち823人が交差点内で事故にあった歩行者だった。車道の幅が13メートル未満で、速度規制が40キロ以下の市街地の交差点で、歩行者や自転車が巻き込まれる事故が集中していることもわかった。道幅が13メートル以上の大きな道路がからむ交差点よりも、中~小規模の交差点での注意がより必要であることがデータからうかがえた。

 国土交通省によると、5.5メートル未満の道路を「生活道路」とした場合、20年には約8万件の人身事故が起きている。04年の21万件からは半減以下となっているが、幹線道路での事故件数と比べると、その減少幅は小さいという。

 今回の分析を監修した久保田尚・埼玉大大学院教授(交通工学)は、「生活道路はあまりにも膨大にあり、幹線道路に比べて対策が遅れていた。(事故データなどを活用した)生活道路の危険地点を見つけ出す、新たなシステムや手法を確立することが必要だ」と話す。山崎啓介