「すでに辞めたい」「しんどすぎ」新卒社員の憂鬱、「準備期間」なく

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斉藤寛子 松田果穂 御船紗子 武田遼
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 東京都内の食品の物流会社に入社した横浜市の女性(22)は午前6時に起きる日々が始まった。

 満員電車に揺られて8時50分に出社する。

 「オンライン生活に慣れていたので疲れます」

 新型コロナの感染が広がり始めたのは大学2年の終わりごろ。

 3年時は全てオンライン授業になり、4年になっても数回しか行かなかった。所属していたダイビングサークルは恒例だった沖縄旅行がなくなり、飲み会もできなかった。

 「友だちに会えないつまらなさはあったけど、慣れたら楽だった」。

 起床は昼ごろ。オンライン授業は寝転がってパジャマのまま聞き流した。就職活動も最終面接以外はオンライン。会社説明会と懇親会もパソコンの画面越しだった。

 そんな生活は就職で一変した。しかも新年度緊急事態宣言も、まん延防止等重点措置も出ていない。

 1日の入社式は対面で行われ、同期30人と並んだ。久しぶりにたくさんの人に囲まれ、体も心もぐったり疲れたという。

 コロナ禍で新生活をスタートさせた新社会人の不安や葛藤に、街角などで耳を傾けました。沈む気持ちをどう整え、先輩や上司は彼らとどう向き合ったらいいのでしょう。記事後半では専門家2人に「心得」を聞きました。

 ただ、研修が始まって同期と…

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    常見陽平
    (千葉商科大学准教授・働き方評論家)
    2022年4月9日13時25分 投稿
    【視点】

    ■「若者はかわいそう論」だけでいいのか?  朝日新聞読者にとってはたまらない、企業社会批判、若者擁護である。新入社員の中身に光を当てたことは素晴らしい。ただ、22年入社特有の事情と、新入社員にとっての普遍的な課題を切り分けて考えるべきだろ

    …続きを読む
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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年4月9日16時24分 投稿
    【提案】

    ご馳走してやれば若いひとたちが喜ぶと思っているようなひとの誘いについていくと、たいがい上から目線で求めてもいないアドバイスを聞かされるだけだから、無理して付き合わなくていいということを、新社会人の皆さんにはこっそりお伝えしたいと思います(も

    …続きを読む