黒田日銀あと1年 9年前の円安歓迎から一転 後任候補の名前も浮上
徳島慎也
日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁の任期が8日、残り1年となった。「異次元緩和」を掲げた就任から9年。この間に進んだ円安はいまや、「悪い物価高」の一因として喫緊の課題となりつつある。長期に及んだ大規模緩和の副作用も大きく、「出口」をどう描くのかも問われる。異例ずくめの政策を引き継ぐ後任人事も難題で、市場が注視している。
「今回の為替相場の変動はやや急じゃないか」
5日、衆院財務金融委員会。最近の円安について問われ、黒田氏がそう発言すると、市場はすぐにざわめいた。
円相場は3月に入り、対ドル…
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【視点】「金利が1%上昇すると、国債の元利払いが3兆7千億円も増える。国の年間の教育予算(約4兆円)に匹敵するほどの規模だ」というのは、事の本質を示している。 金利が上がれば国の予算が成り立たず、日銀も債務超過になりかねない。つまり現実的にい