民話をもっと発掘 南伊勢町で職員が続編発行 三重

臼井昭仁
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 三重県南伊勢町に古くから伝わる民話を集めた冊子「続 南伊勢の民話」が発行された。昨年3月に発行した冊子の続編。今回も、町役場職員の若手有志が住民への聞き取りをし、挿絵も添えて作り上げた。

 前回の冊子「南伊勢の民話」は300部が完売し、評判は良かったという。ただ合併前の旧2町のうち、南島町側の民話が少なかったという声も寄せられたことから続編を作ることにした。

 昨年度まで町教育委員会事務局に勤務していた中村一裕さん(31)と、同僚の山本瑞記さん(32)が、30年以上前に編纂(へんさん)された文献などを参考に、60~90代の住民から聞き取りもして84の民話を集めた。4分の1は聞き取りからだ。

 冊子の題字は、書道が得意な上下水道課の服部一孝さん(30)が担当。52カ所にわたる挿絵は、水産農林課の植村泰士さん(29)が描いた。

 てんぐやオオカミ、大蛇が登場する伝承もあれば、地元出身で江戸時代の豪商、河村瑞賢(ずいけん)ら実在の人物も取り上げている。

 幾重にもよだれかけが重なっている「子安(こやす)の地蔵」、「たこらさん」と呼ばれている山など、今も住民に親しまれている場所とその歴史、言い伝えも紹介している。

 植村さんは「地名の由来の話は、ふる里なのにほとんど知らなかったので勉強になった」と振り返る。中村さんは「島田亀楠」「加藤市右衛門」など住民のために尽力した人物の話にひかれたといい、「この地の豊かな歴史を後世に伝えていかなければいけないと改めて感じた」と話している。

 A4判102ページで、1冊500円(税込み)。町教委事務局(南島庁舎、0596・77・0002)と愛洲の館で販売している。町のホームページでも公開している。(臼井昭仁)