埋葬された遺体に銃や爆弾の傷痕 キーウ近郊の墓地で検証始まる

ウクライナ情勢

ワシントン=高野遼
[PR]

 ロシア軍の撤退後に多くの民間人の遺体が見つかったウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャで8日、専門家による集団墓地に埋葬された遺体の検証が始まった。ロイター通信が報じた。遺体を掘り起こし、法医学者らによる分析を通じて身元の確認や戦争犯罪の捜査などが進められる見通しだという。

 同通信によると、ブチャの検察当局者が20体の遺体が掘り起こされたことを明らかにした。うち18体には銃や爆弾の金属片などによる傷痕が見つかったという。また、2人の女性の身元が確認された。当局者は「ロシア軍による殺害には目撃者がいる。通りを歩いていたり、避難していたりしたところを理由なく殺害された」と話したという。

 ブチャの副市長は、殺害された市民は360人以上にのぼり、うち260~280人が集団墓地に埋められたとしているが、ロイター通信はこの人数を独自には確認できていないと報じている。

 また、AP通信によると、オランダのハーグに本部を置く「国際行方不明者機関」(ICMP)が近く、専門家チームを現地に派遣するという。

 ICMPは、ボスニア内戦で相次いだ虐殺の被害者の身元を確定させるため、1996年に設置された組織。法医学者やDNA採集の専門家らが、身元確認や死亡した経緯の調査にあたるという。ICMPのボムバーガー事務局長は、AP通信の取材に「ウクライナ全土にわたる巨大な犯罪現場に対する捜査になる」と述べた。(ワシントン=高野遼)