「トキシラズ」のサケ・マス漁が暗礁、日ロ政府の交渉始まらず

有料会員記事ウクライナ情勢

大野正美、初見翔
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 例年なら10日に始まるはずの北海道のサケ・マス漁が動いていない。政府は11日、漁の前提となるロシアとの交渉を始めたが、ウクライナ情勢もあって先行きは不透明だ。漁の解禁日を過ぎても交渉がまとまっていないのは極めて異例で、地元の漁業者や流通業者が気をもんでいる。

 本土最東端の納沙布岬に近い、根室市の歯舞漁港は11日、10隻あまりのタラ漁の漁船が岸壁に並んでいた。ただ、例年なら漁解禁の前から船員が準備で慌ただしく働いているはずの「サケ・マス流し網漁」の漁船は見当たらず、整備のために近くの陸地に揚がったままだ。

 業界団体の太平洋小型さけ・ます漁業協会(札幌市)によると、今季の漁への参加を希望しているのは道内の19隻で、昨年より12隻減った。2018年の操業数47隻から、19年と20年に8隻ずつ減っていたが、さらに激しい減少ぶりとなった。近年の不漁傾向に加えてロシアとの漁業交渉で先行きの不透明感が増しているのが原因とみる。

■ウクライナ侵攻が影響か

 この漁で取れるシロザケは「トキシラズ」と呼ばれ、特に脂がのった高級食材として地元北海道のほか、東京などでも珍重される。海を回遊中なため、産卵で川への遡上(そじょう)を前にした秋サケより脂がのり、美味なためだ。例年は10日の解禁の前に日ロの交渉がまとまっていたが、今年は交渉入りが11日までずれ込んだ。ウクライナ侵攻を受けた経済制裁で米欧と足並みをそろえた日本が「非友好国」にされた影響とみられる。同協会の担当者は「何が起きるかわからず、見切り発車もできない。とにかく政府は早く交渉をまとめてほしい」と話す。

 サケ・マス漁船を持つ根室市…

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