山陰で最大の木質バイオマス発電所が稼働 鳥取・米子市

杉山匡史
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 木質バイオマス発電所として山陰両県で最大規模となる「米子バイオマス発電所」(足利司所長)が2日、鳥取県米子市大篠津町で営業運転を始めた。出力は5万4500キロワットで、年間発電量は一般家庭12万5千世帯分に相当する3億9千万キロワット時を想定している。

 発電所は、市有地を取得した敷地約5万9千平方メートルに燃料貯留槽とボイラー、電気を作り出すタービン建屋、管理の計4棟が立つ。燃料となる木質ペレットは米国とベトナムから、パームヤシ殻はインドネシアマレーシアから年間計22万トンを輸入する。

 事業主体は米子バイオマス発電合同会社で、2018年6月、中部電力名古屋市)と大手リース会社の三菱HCキャピタル(東京都)、産業廃棄物処理などの三光(鳥取県境港市)などの5社が出資して設立し、19年に着工した。所員は30人。総事業費は非公表。

 運転・保守をグループ会社が担う中部電によると、三重県四日市市福井県敦賀市のバイオマス発電所に次ぐ3カ所目で、今回は最大規模。二酸化炭素の削減効果は年間約17万トンを想定しているという。

 発電した電力は再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)に基づいて1キロワット時あたり24円で、送配電事業を手がける中国電力ネットワークにすべて販売し、年間約90億円の収入を見込んでいる。売電は20年間で終了後も運転は継続するが、売電先は未定。

 発電所の担当は「運転を通して持続可能な社会の実現に貢献していく」としている。(杉山匡史)

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