「歴史の重み」大きな茶わんに 西大寺で大茶盛式

米田千佐子
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 真言律宗総本山の西大寺奈良市)で9日、伝統行事「大茶盛式」が営まれた。1人1わん、大きなお茶わんにたてられた茶を飲み、無病息災を願った。

 西大寺によると、大茶盛式の歴史は1239年にまでさかのぼる。寺の中興の祖・叡尊(えいそん)が、法要が無事に終わったお礼に、境内にあった鎮守社の八幡神社の神に茶を献上し、余りを民衆にふるまったのが始まりという。当時茶は貴重で薬として飲まれていた。

 大勢の参拝客にどんぶりなどで茶がふるまわれたと伝わり、大きな茶わんを支え合いながら回し飲みする方法が定着していた。だが、コロナ禍を機に2021年から「1人1わん」の茶をふるまっている。

 この日は、赤膚焼(あかはだやき)や九谷焼など、顔がすっぽり入るほど大ぶりのわんにたてられた茶が届くと、参加者はわんを両腕でゆっくりと何度も持ち上げ、茶を味わった。夫と参加した東京都品川区の戸村洋子さん(73)は「器はとても重かったです。歴史の重みを感じました」と笑顔で話した。(米田千佐子)