社会学者の見田宗介さん死去 84歳 「現代社会の理論」

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 著書「現代社会の理論」「気流の鳴る音」など幅広い著述活動で知られる社会学者で、東京大学名誉教授の見田宗介(みた・むねすけ)さんが1日、敗血症で亡くなった。84歳だった。葬儀は近親者で営んだ。

 1937年東京都生まれ。60年に東京大学文学部社会学科を卒業。65年に同大学院を満期退学後、東京大学教養学部で講師、助教授を務め、82年に教授に就任。退官後、98~08年には共立女子大学教授を務めた。

 社会心理学、現代社会論が専門。社会科学的な分析の明晰(めいせき)さとともに、詩的で直観的な対象の把握と文体が結びついた独自の視点とスタイルの研究、評論活動で注目された。60年代には流行歌や文学作品映画、新聞の人生相談欄など、数量化されない質的データの社会学的分析を試み、「価値意識の理論」「近代日本の心情の歴史」などにまとめた。

 70年代には論文「まなざしの地獄」で連続射殺犯の永山則夫を考察。真木悠介(まきゆうすけ)のペンネームで「人間解放の理論のために」「現代社会の存立構造」を発表し、現代における個人と社会構造のつながりを論じた。

 74~75年にメキシコ大学…

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    高久潤
    (朝日新聞エルサレム支局長=文化、消費)
    2022年4月10日18時53分 投稿

    【視点】個人の自由を決して手放さないコミューン(共同)主義。見田さんの著作の一貫したモチーフはこれだったと思います。「気流の鳴る音」「自我の起原」などで、私たちの「生」の切実さを、時に詩的な言葉や語りを盛り込みながら綴る。お話があまりに魅力的すぎて

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2022年4月10日11時2分 投稿

    【視点】現在イメージされる「日本の社会学」を作ったのは見田氏だと思う。 アメリカなどでの社会学は、量的ないし質的調査によって社会現象を扱う社会科学である。しかし、日本でイメージされる社会学は、方法論的に確立されているとは言い難い側面はあるもの