第39回「地獄に残る人を思うと…」 マリウポリのTV局社長が伝えたい現実

有料会員記事ウクライナ情勢

リビウ=野島淳
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 ウクライナ南東部マリウポリはロシア軍に包囲されて10万人以上が取り残され、支援物資も届かぬまま人道危機に陥っているとされる。3月半ばに別の都市に脱出した地元テレビ局社長は朝日新聞の取材に「現地情勢を伝えられないのはジャーナリストとして本当に苦しい」と胸の内を語った。

 マリウポリのテレビ局MTBは生活情報やイベント、スポーツなど地域密着の情報を伝えてきた。社員89人のうち約70人の安否は確認できているが、残りは分からないという。ウェブサイトを確認すると、ロシアの侵攻直後の2月25日で動画の掲載は途絶えている。

 侵攻後、各地で電気が止まり、多くの市民がテレビを見られなくなった。そこで、SNSを使ってニュースを配信することにした。

 「街の様子を伝えるため毎日、動画をつくった。自分のアパートの10階でネットがつながることがわかり、配信できた」とMTBのニコライ・オシチェンコ社長(41)は語る。「脱出した人やとどまる人たちのため、何がいま起きているかを知らせなければと」

「安全なところはない」

 だが、3月9日には産科病院…

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