マリーヌ・ルペン氏(右翼「国民連合」)

フランス大統領選挙2022

パリ=疋田多揚、青田秀樹
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マリーヌ・ルペン氏(右翼「国民連合」)

 34%対66%。決選投票でダブルスコアでマクロン氏に敗れた2017年大統領選の雪辱を期す。

 「愛国」を訴え、庶民に寄り添う姿勢を強調しつつ、極端な移民排斥といった主張を封印する「脱悪魔化」の徹底で、政権をになえる「ふつうの政党」だとアピールしてきた。極右の論客ゼムール氏に支持基盤を奪われるとみられたが、再びマクロン氏との決選投票へとコマを進めた。

 右翼政党「国民戦線」(FN)の創設者ジャンマリ・ルペン氏の三女。11年に党首の座についた。第2次世界大戦中のガス室によるユダヤ人虐殺を「歴史上のささいなこと」という発言を改めようとしない父親を15年に除名。大統領選後の18年には党名を「国民連合(RN)」に改めた。

 「FNは歴史のある名前だが、力の結集へのブレーキにもなっていた」。ジャンマリ氏に与えられていた「名誉党首」のポストも廃する徹底ぶりだった。

 今回の選挙キャンペーンでは、「マリーヌ・プレジデント」と大書したバスを各地に走らせた。選挙ポスターに名字の「ルペン」を載せず、マリーヌとだけ記すパターンを作るなど、入念に父親のイメージを拭おうとしている。

 今回は、前回大統領選での敗因となった欧州連合(EU)や共通通貨ユーロからの離脱へとつながる政策は封印した。

 「購買力の向上」に力点を置き続け、地方をこまめに回り、ガスや電気料金消費税を20%から5・5%に引き下げるよう訴えるなど、「生活が第一」の姿勢を貫いた。エネルギー価格の高騰に苦しむ国民の支持を集めているようだ。

 ルペン氏が掲げる政策の中には、「公営住宅の入居者はフランス人を優先にする」「1年以上働いていない外国人は、滞在許可証を無効にする」といった自国第一の政策も並ぶが、右派や極右の他候補も移民に厳しい政策を掲げてきた。ルペン氏だけが突出しているわけではないのが、今回の選挙の特徴だ。

 ルペン氏は、欧州のポピュリストの代表格と位置づけられてきた。朝日新聞のインタビューに「侮蔑的な響きがある言葉だが、民衆の、民衆による、民衆のための政治という意味なら受け入れる」と語ったこともある。

 幼いころは警察官になりたかった。「ナイトクラバー」というあだ名がつくほど、夜遊び好きだった過去もある。猫を愛する一面もあり、親しみやすい人柄だと支持者らは説明する。

 2度の離婚を経験し、双子を含む3人の子どもを持つ。

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 マリーヌ・ルペン氏 パリ西郊生まれ。弁護士を経て、04年から欧州議会議員。11年から右翼政党「国民戦線」(現・国民連合)党首。大統領選でマクロン氏に敗れた17年、下院議員に当選した。たいていはパンツスーツ姿。53歳。(パリ=疋田多揚、青田秀樹)