再エネ受け入れ一時停止、東北電も 太陽光と風力の21発電所を制御
東北電力は10日、再生可能エネルギーの受け入れを一時的に止める「出力制御」をしたと発表した。前日の四国電力に続いて全国3例目。太陽光や風力などの再エネは、季節や気候に発電量が左右される。電気の需要を供給が上回る事態を避けるために実施した。
出力制御は、東北6県と新潟県では初めて。10日午前8時~午後4時に実施した。制御量は最大11万キロワットで、対象発電所21カ所(太陽光13、風力8)となったという。好天で太陽光による発電が増える可能性がある一方、休日で企業の需要が少なくなる見通しのため、実施することを前日から決めていた。
電気は使用量(需要)と発電量(供給)を一致させる必要があり、このバランスが崩れると大規模停電が起きる。これを防ぐため、電力会社は火力発電の出力を下げたり、他の電力会社管内に送電したりする。そうした措置をとっても供給が上回る場合、再エネの出力制御をする。
太陽光の普及が早かった九州電力は2018年度から出力制御をしている。さらに、今月9日には四国電力も出力制御をした。
政府は再エネを主力電源と位置づけ、30年度の電源構成の比率を今の約20%から「36~38%」に増やす方針だ。だが太陽光発電などの導入が増えるほど需給のやりくりが難しくなる。再エネの電気を無駄なく使いきるため、電気をほかの地域に送る送電線の増強や、電気をためる蓄電池の普及が急がれている。(池田良、岩沢志気)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。