短歌で伝えるコロナ禍の本音は 「使命感で続けられる強さなく」

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佐々波幸子
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 新型コロナウイルスの感染拡大から2年余。歌人はコロナ禍をどう詠んできたのか。「コロナの時代の短歌」と題した現代短歌フォーラム(現代歌人協会主催)が先月下旬、東京都内で開かれ、医療現場の思いやコロナ禍を詠む葛藤が語られた。

 使命感で続けられる強さなく 皆辞めないから辞めないでいる

 大阪の救命救急医、犬養楓(かえで)さんはこの2年間、医療従事者の本音を詠んできた。昨年の第1歌集『前線』に続き、『救命』を出版。「熱量がそのまま伝わる短歌であれば、医療従事者の声にならない声を伝えられるという思いで現実を切り取り、歌に残してきた」と語った。

 奈良在住の麻酔医、小松昶(あきら)さんはビデオで出演。

 手術患者は全てコロナの検査せよ手術部スタッフ激しき口調に

 まだワクチンがなかった感染拡大の初期、おびえつつ患者と向き合った日々を振り返った。

 川島結佳子さん、田口綾子さん、中川佐和子さんによる鼎談(ていだん)では、『二○二○年 コロナ禍歌集』(現代歌人協会編)の歌を読み合った。田口さんはコロナにまつわる歌を作れなかったと言い、「大きな社会的な出来事が起きたとき、自分が歌を残す価値が見いだせない」と吐露した。

 この歌集に次の一首を寄せた…

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