完売御礼、大人気のキクラゲ 生産・販売はなぜか自動車学校

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伊藤唯行
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 北海道の太平洋側、伊達市にある伊達自動車学校。市街地からの坂道を上った先に、広々とした教習コースに2階建ての事務所がある。ごくごく普通の、どこにでもありそうな自動車学校だ。ここで、とてもおいしいキノコを売っているらしい。なぜ自動車学校で?

 事務所に入ると、小さな縦型の冷蔵ケースが目に入る。そこに「生きくらげ 販売中」の文字があった。

 袋に入ったキクラゲは1パック約100グラムで300円。ひとつひとつが子どもの手のひらほどあり、厚さは耳たぶほど。指ではじくと「ブルン」と音がする。乾燥キクラゲとは違って「生」で、少し赤身を帯びた茶色。つやつやと、みずみずしく光る。指で押すと、指の腹にじんわりと水気がにじむ。

高齢者教習の受講生に大人気

 「今日は残っていてラッキーでしたよ。いつもは仕入れるとすぐに売り切れてしまうんです」。同校の総務課長、相馬紀文さんが教えてくれた。

 販売を始めたのは今年2月。当初は教習生向けに細々と売るつもりだった。ところが、高齢者講習で来たお年寄りを中心に評判となり、地元のFM局で取り上げられ、話が広まった。隣の室蘭市や、約80キロ離れた苫小牧市から買いに来る人もいる。「受講者以外の人も訪れる。今までになかったことです」

 買い求めたキクラゲを実際に食べてみた。相馬さんのおすすめは刺し身。さっと湯がいて、ワサビやショウガを溶いたしょうゆにつける。シンプルだが、キクラゲの食感が最も楽しめるという。

 口に入れて驚いた。つるっとした舌触り、かみ締めると弾力で押し返されるが、負けずにかむとコリッと小気味よい音を立てる。これといった味はないのだけど、いくらでも箸が進む。さっと焼いて塩をかけても、みそ汁でも絶品だ。

 伊達自動車学校を経営するのは、恵新自動車学園(小樽市)。道内4カ所で自動車学校を運営する。そのうちの一つ、余市町の自動車学校でキクラゲ生産を始め、各校で販売している。

 日本海の海岸沿いにある余市自動車学校の教習コースの脇には、大型のコンテナ2台が並ぶ。これがキクラゲの生産場所だ。

 生産担当は校長の柏木幸治さん。名刺には「日本きくらげ余市ファーム管理者」の肩書も。教習一筋だったが、「いまはキノコ農家もやっています」。

あのウイスキー産地の学校で栽培

 生産を始めたのは昨年9月…

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