「破棄せよ」欄外にクロポトキンの指示 幸徳秋水は「同志」だった

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大内悟史
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先生そして同志 幸徳秋水・クロポトキン「往復書簡」解読(下)

 明治期の社会主義者、幸徳秋水(こうとく・しゅうすい)がロシアの思想家ピョートル・クロポトキンに宛てて書いた英文書簡、計9通がオランダとロシアで相次いで見つかった。書簡の内容を紹介する連載の3回目は、中韓や欧米など世界の社会主義運動の動きに幸徳が関心を寄せていた様子と、無政府主義者(アナキスト)たちの国際ネットワークについて紹介する。

 一連の書簡のデータを海外から入手し、今回の研究成果につなげたアナキズム研究者の田中ひかる・明治大学教授は、「書簡の欄外に書き込まれていた一文が印象に残っている」と語る。

 「Destroy the letter:it is not for print(手紙は破棄すること。印刷してはならない)」(1907年2月15日付の幸徳書簡を仲間に転送する際、クロポトキンが同封した同年3月23日付書簡欄外に書き込まれた筆跡、オランダ・国際社会史研究所蔵)

 幸徳は、中国や韓国の動向にも関心を寄せていました。国内の厳しい弾圧に対し、国際的な連帯に可能性を見いだしている様子を記事後半で詳述します。

 オランダで見つかった幸徳か…

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