「EVも強いトヨタ」へ巻き返せるか 部品大手「勝負は25年ごろ」

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近藤郷平
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 トヨタ自動車が初の電気自動車(EV)専用モデルとなる「bZ4X」を国内で5月12日に売り始める。EVの世界販売を大幅に引き上げる目標を昨年末に示して以降、第1弾の戦略車種となる。ただ初年度の国内での供給は5千台にとどまり、まだ象徴的な意味合いが大きい。

 EV市場では、米テスラをはじめライバルたちが先行している。ハイブリッド車(HV)でエコカー市場を切りひらいたトヨタは、「EVでも強いメーカー」へと、国内外でどう巻き返そうとしているのか。

 トヨタは「全方位」で電動車を広げる戦略を掲げてきたが、昨年末にEVについて新たな目標を発表した。EVの世界販売を2030年に350万台まで増やし、EV30車種を展開する。EVの開発や生産設備に4兆円を投じることも明らかにした。

 トヨタは12日、こうした戦略を具体化する初の量産EV「bZ4X」の国内販売について、オンラインで発表した。そこで明らかにしたのは、「売り切り」での販売は当面しない方針だ。

 個人向けには定額制サブスクリプション)の「KINTO(キント)」のみで提供を始める。利用期間4~10年のプランを用意するという。

 1キロ走るのに必要な電力量は128ワット時で、航続距離は559キロ(国際的な測定方法のWLTCモード)を確保した。

 希望参考価格は前輪駆動車が税込み600万円、四輪駆動車は650万円。車両価格や保険料、メンテナンス代などを含むサブスクの月額利用料の詳細は5月2日に発表する。

 サブスク方式とした理由について、国内販売事業本部の佐藤康彦本部長は「EVの不安を解消する。今までの売り方を変えることにチャレンジしていきたい」と話した。

 今年は日産自動車も新型EVを発売するなど各社の投入が相次ぐ。欧米に比べ出遅れが指摘されてきた国内市場だが、ここに来てEV普及に向けた機運が高まりつつある。

 ただ、EVは車両価格が高かったり、充電設備が不足していたりする課題が依然として立ちはだかる。電池が劣化し、転売時に値崩れする心配もある。足元では新車販売に占めるEVの割合は1%に満たない。

 サブスク方式にすれば、トヨタにとっては車両の電池を回収・再利用しやすくなる利点がある。初年度は5千台の供給を想定。今後も国内需要などを踏まえて、新たなEVの投入時期や、売り方を検討していくとみられる。

 国内販売をサブスク方式に絞った背景には、EV競争が激しい欧州などの海外市場に車両を優先的に振り向けていく狙いもある。「bZ4X」は国内と中国で生産することが公表されているが、供給能力には限りがある。

「目先の台数より、競争力あるEVを」

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