ウクライナの「ハチ公」 殺害された飼い主を待ち続ける秋田犬
ウクライナのキーウ(キエフ)州マカリウで、ロシア軍に殺害された飼い主の帰りを約1カ月にわたり、玄関で待ち続けている秋田犬がいる。ウクライナのゲラシチェンコ内相顧問がSNSで紹介し、「マカリウのハチ公」と記した。
ゲラシチェンコ氏のSNSによると、飼い主の女性は夫と秋田犬の「リニ」と暮らしていたが、3年前に夫が病死した。ロシアの侵攻が始まった後、一緒に避難する予定だった友人を自宅で待っていたところ、ロシア南部チェチェン共和国出身の兵士が侵入。女性に性的暴行を加えた後、刺殺したという。亡くなったのは3月中旬だった。
周りには避難せず残っていた住民もいたが、ロシア兵から銃撃を受けるため、救出しに行くことは難しかった。「助けを得られなかった女性が何日間苦しめられたか、誰もわからない」。ゲラシチェンコ氏はそうSNSに記した。
残されたリニは、ボランティアが保護施設に連れて行こうとしても家を離れようとしない。ボランティアは今、この秋田犬の面倒を見てくれる人を探しているところだという。(佐藤達弥)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

ウクライナ情勢 最新ニュース
ロシアのウクライナ侵攻に関する最新のニュース、国際社会の動向、経済への影響などを、わかりやすくお伝えします。[もっと見る]