戦火に走り続けるウクライナ鉄道 レール幅が映す脅威

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アナザーノート 吉岡桂子編集委員

 ロシアの侵攻後も、ウクライナ鉄道は走り続けている。戦火を逃れて避難する何百万の人々をポーランドなどとつながる西の国境へ、世界から寄せられた援助物資を各地へと運ぶ。

 私は特派員として駐在した中国やアジアで、列強が植民地支配の道具として造った鉄道のいまの姿を取材した。ウクライナの鉄路の大半は、ロシア帝国からソ連時代に敷かれた。

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アナザーノートは、紙面やデジタルでは公開していないオリジナル記事をメールで先行配信する新たなスタイルのニュースレターです。今回は4月10日第85号をWEB版でお届けします。

 線路の幅は、ロシアと同じ広軌の1520ミリ。隣国ポーランドなど欧州を走る標準軌は1435ミリ。わずか85ミリの違いが、大国のはざまで翻弄(ほんろう)されてきたウクライナの人々の歴史を映す。

 ロシアとの戦いのなかで鉄道は、どんな姿をみせているのか。東京からオンラインで追った。

 ウクライナ鉄道の運行スケジ…

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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2022年4月17日10時50分 投稿
    【視点】

    鉄道という観点で見ても、やはりウクライナ、ポーランドのエリアは、東西ヨーロッパの境界域である。実は、ウクライナからポーランド南部のスワフクフにかけて旧ソ連と同じ1,520mmの広軌鉄道が伸びていたり、他方でウクライナのコヴェリには欧州と同じ

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