スリランカの経済危機「なるべくして」 成長めざし、重ねた借金

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聞き手・石原孝
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 「インド洋の真珠」と呼ばれる南アジアの島国、スリランカが深刻な経済危機に陥っています。外貨準備高は輸入額の1~2カ月分しかなく、燃料や日用品の価格は高騰。1日に10時間近い停電も起きていて、政府への抗議デモが拡大しています。なぜ、ここまでの事態になったのでしょうか。スリランカの政治や社会を研究し、日本貿易振興機構アジア経済研究所で地域研究センター南アジアグループ長を務める荒井悦代さん(55)に聞きました。

 ――スリランカ政府は、新型コロナウイルスの流行が経済危機の原因だと主張しています。現状をどう見ていますか?

 今回の経済危機は、なるべくしてなったという印象です。必然だったということです。この国においては、突然、物価が上がったわけでも、外貨不足の危機が訪れたわけでもない。新型コロナによる影響は他の国も同じです。人為的な要因によって危機が引き起こされたと見ています。

 ――スリランカでは、ラジャパクサ一族が政治・経済界で権力を握り、兄弟で大統領と首相を務めています。人為的な危機というのは、彼らの失政ということですか?

 ラジャパクサ政権を含め、政府は外貨を獲得するための措置をこの10~20年の間、怠ってきました。貿易赤字を観光業の収入や海外で働く労働者たちからの送金でまかなっていましたが、コロナ禍でそれも厳しくなりました。

 危機を招いた要因でより大き…

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