ウー・ウェンさんが作る白身魚の甘酢炒め 父の好物を旬の魚で

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 北京生まれの料理研究家ウー・ウェンさんが来日したのは1990年。中国でビジネスをする海外の企業をサポートする仕事をしていたときに、日本企業に勤める人たちと知り合ったのがきっかけでした。

 来日後に日本人男性と結婚。結婚式に出るため、北京の両親がしばらく東京に滞在していたときのことです。母はスーパーに行くたびに魚を買っていました。そして買った魚で「飽きるほど作っていた」のが、今回の白身魚の甘酢炒めです。

 この料理の名は中国語で「糖酢魚」。父の出身地にほど近い浙江省・杭州の名物で、父の好物でした。一家が北京で暮らしていたとき、母が淡水魚のコイやソウギョで作っていました。「骨が多くて作るのが大変だったかも」とウーさんは振り返ります。

 その母が、日本のスーパーの魚売り場を興奮気味に見ていたことをよく覚えているそうです。

 「日本では魚にも旬があって種類が多いし、切り身になっている。母は何も言わなかったけれど、カルチャーショックだったと思いますよ。日本は魚天国です」

 料理が大好きで、食材を求めて遠出することもいとわなかった母の口癖が「これは人生の大事な一食なんだよ」でした。この一食は二度と戻ってこない。だから、一食一食を大切にしたい。ウーさんも、「一期一会」で出会ったそのときどきの食材を、素材の持ち味を生かして料理することを心がけています。

 白身魚は、春においしいサワラを使いました。タイやスズキでもおいしくできます。淡泊でクセのない白身に、甘酢味がよく合います。これからの季節の食卓にも、お弁当のおかずにもぴったりです。

(構成・沼田千賀子)

 うー・うぇん 1963年、北京生まれ。90年に来日、97年に東京にクッキングサロンを開設。近著に「ウー・ウェンの炒めもの」(高橋書店)。

白身魚の甘酢炒め

【主な材料・2人前】 白身魚(サワラ)2切れ(250g)、魚の下味(塩小さじ1/4、コショウ少々、酒大さじ1)、片栗粉大さじ1、合わせ調味料(黒酢大さじ1と1/2、ハチミツ・ショウガすり下ろし各大さじ1/2、酒大さじ1、しょうゆ小さじ1、塩小さじ1/4)、揚げ油適量、万能ネギ小口切り適量

①白身魚を一口大に切り、下味をつけて20分おく。揚げる直前に片栗粉をまぶす。

②160~170度の油で①を3分ほど揚げて、油をきる。

③炒め鍋(またはフライパン)に合わせ調味料を入れて煮立たせる。②を加えてからめる。

④器に盛り、万能ネギを散らす。

*1人前約360kcal、塩分2.2g(栄養計算:女子栄養大学栄養クリニック)

一言メモ

 甘酢味の合わせ調味料は、揚げた魚を加えて味をからめる前によく煮立たせます。少し煮詰めて水分を飛ばしてから魚を加えることで、べたっとした仕上がりになるのを防ぐことができます。

 ◇次回は枝元なほみさんの「大根とひき肉のカレー」です。