破壊・盗難・交通事故に遭っても…温泉への道中、見守る「百体観音」

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中村瞬
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 標高1530メートルに位置する群馬県嬬恋村の鹿沢温泉は、群馬と長野の県境付近にある。長野県東御市から県道で向かうと、道路脇にほぼ一定の間隔で100体の観音像が立っている。この「百体観音」は破壊や破損、盗難に遭った一方、事故から人を救ったこともあったといい、今日も往来する人々を見守っている。

 百体観音は、東御市新張から鹿沢温泉までの約12キロの区間に立つ。1~81番は東御市、82~100番は嬬恋村にある。道路脇の生い茂る草木の中にぽつんと立っているもの、高さ2メートル超ののり面の上にひっそりと立っているもの。表情や大きさ、位置もさまざまだ。

 嬬恋郷土資料館(嬬恋村)によると、江戸時代末期から明治時代初期にかけ、鹿沢温泉と旧新張村の住民の発願によって造られた。旧東部町(現在の東御市)の町誌によると、鹿沢温泉は明治時代以前、信濃国(現在の長野県)だったという。当時の観音信仰の流行を背景に、道標としての役割もあった。

 新張の一番観音は高さ2・7メートル。鹿沢温泉の一軒宿「紅葉館」のそばに立つ百番観音とともに、信濃国高遠の石工・仲山暉雲作と伝わる。百番観音の台座には、発願人8人の氏名が刻まれている。

 百体観音は明治時代から現代に至るまで、数々の災難に見舞われてきた。

 東御市教育委員会によると…

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