子どもがひきこもったとき、親は? 責めず、押しつけずの関係築いて

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村井隼人
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現場へ! ひきこもりと支援②

 「高校までごくごく普通の子だったのですが……」

 2月中旬の夜、山口県宇部市のNPO法人「ふらっとコミュニティ」の会議室で、ひきこもりの子を持つ6人の親がテーブルを囲んだ。親たちは月1回集まり、この1カ月に子との間にどんな出来事があったのかを振り返り、その際の親子の反応を報告し合っていた。

 代表理事で山口大大学院医学系研究科の山根俊恵教授(60)は切実な親の声に耳を傾け、1人話し終えるごとに助言する。

 発達障害の高校1年の息子を持つ父親は「学校生活に燃え尽きてしまい、3学期から『体調が悪いんだ』と登校しなくなった。留年の可能性もあり、私もついがんばれと言ってしまった」。山根教授は親の思いに共感しつつ、「頑張っていることに目を向け、しっかり話を聞いてあげるとつらかった体験が癒やされると思います。そうすることで心のエネルギーが上がっていきます」と返した。

 ふらっとではまず親に原則6回の基礎プログラムを受講してもらう。ひきこもりの人が抱える生きづらさへの理解、適度な距離の取り方、対話のあり方などについて学ぶ。

 その後は月1回のグループでのプログラムに移るが、山根教授は参加者に近況を振り返ってもらう際には親子関係の悪化を招きかねない言葉や行動に目を光らせる。「バイトでもいいからどこか働いてくれないか」「いつまでもひきこもっていてどうするのか」といった親の価値観の押しつけや叱責(しっせき)だ。「子どもは親の言葉がつらくて、それに対してどう答えたらいいのか分からないから、より部屋に閉じこもってしまう」

 最悪の場合、行き場のない怒りが口論や暴力につながることもある。集まりではこうした「そのときどう対応したか」というケースを他の参加者にも共有してもらう。振り返り、客観的に見つめ直す。子どもの言葉にならない声に耳を傾け、理解していく。最後にどう対応したらいいのかを具体的に伝える。

 プログラムに参加しているうちに自分が感じている課題が、ほかの家族の悩みと共通していることを学び、一人ではないと安心する。そして同じ境遇の家族と共感し合い、学びを重ねていくうちに次第に親が楽になり、自分の子どものことを肯定的に受け止めることができるという。

 ふらっとでは親と子のつなが…

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