夜間の遭難者捜索、ドローンで支援 西川町

高橋昌宏
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 ドローンを使って山岳遭難者をはやく発見できるよう、東北などの自治体で、機器の操縦にたけた技術者らの団体と協定を結ぶ動きが出ている。二次災害の恐れから捜索が難しい夜間帯に上空から遭難者の手がかりを見つけるのが狙いだ。

 山形県西川町は11日、ドローンによる夜間捜索支援サービスを行っている一般社団法人「ジャパン・イノベーション・チャレンジ」(東京)と協定を結んだ。月山や朝日連峰に囲まれた同町では、登山や山菜採りなどで山に入り遭難するケースが多い。

 調印式で、小川一博町長は「夜間になると捜索できないことが課題だった。経験を積み上げ、ドローン(による捜索)が全国に広がれば」と話した。同法人の上村龍文代表理事は「夜間に1人でも助かる命を増やすとともに、捜索・救助に携わる人の安全を確保するのが目的」と説明した。

 同法人はドローンなどのロボットを用いた捜索の支援を行うために昨年設立された。協定を結んだのは北海道や東北などの22自治体で、東北は同町のほか、山形県尾花沢市や岩手県住田町、同県岩手町の3市町。

 東北ではドローンの操縦者ら28人が登録。交代制で24時間受け付け、要請を受けて現場に駆けつける。山間部の高低差を把握できる飛行ルート作成機能を使い、自動航行にすれば、夜間でも安全に航行できる。

 ドローンに取り付けられた赤外線カメラで撮影すると、外の環境に比べて温度が高い部分が表示されるため、夜間でも人を感知できる確率が高まる。ドローンから遭難者の周りに照明を当てて、捜索隊を誘導することもできるという。

 昨年5月のサービス開始以降、要請を受けて出動した回数は全体で計2件。ともに到着前に遭難者は発見されたものの、出動を今後も重ね、実績を上げていきたいという。(高橋昌宏)