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里山×廃材×障害者雇で町おこし 王寺町のNPO

室矢英樹
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 【奈良】里山から出た間伐材をいかした町おこしに、知的障害者らが集う王寺町のNPO法人「なないろサーカス団」が挑戦している。積み木、だるまなどを作って販売し、売り上げの一部を森林の保全にいかしていく。

 JR和歌山線の畠田駅近くの住宅街。なないろサーカス団が入る施設で、団員の森下紗希さん(18)が木工品に色づけし、森川浩和さん(37)が焼き印を押していく。

 里山をイメージした緑色の積み木、手のひらサイズのだるま、スイーツを並べるトレー、グラスを置くコースター。どれも手づくりのぬくもりが感じられる。森川さんは「力加減がむずかしい」と額の汗をぬぐう。

 なないろサーカス団は2014年に発足し、15年にNPO法人になった。10代~60代の団員約20人が通っている。

 「障害があっても、だれもが過ごしやすいまちづくりの一翼になりたい」と代表理事の中川直美さん(42)。薬剤師やガラス細工の職人、レストランのオーナーなどさまざまな職種のスタッフが活動をサポートする。

 その活動は、町内の自然と一体となっているのが特徴だ。

 近くの里山「陽楽の森」でヤギや烏骨鶏(うこっけい)を飼い、イモやシイタケ、小松菜、ホウレンソウづくりに励む。採れた野菜は団員のランチの材料になる。平日の昼前から夕方まで、聖徳太子の愛犬とされる「雪丸」をデザインした便箋(びんせん)や付箋(ふせん)などの文具、町内の達磨(だるま)寺にちなんだ、だるまも作っている。

 今回の間伐材を使った取り組みは町観光協会が後押しした。昨年度から里山の保全をめざし、町内の木材で特産品をつくる「OJICHO WOOD」を始めた。大阪と奈良の府県境にある明神山などから間伐材や廃材を集め、特産品として売り出す試みだ。

 製作、販売をなないろサーカス団が担うことになった。スタッフの河田佳奈子さん(42)は「里山の保全と特産品による観光振興、団員の働きがい。その三つを一度にかなえたい」と話す。

 積み木やトレー、コースターの販売は今月20日から、なないろサーカス団のホームページ、県内各地のカフェなどで始まる。売り上げの5%は町の森林保全に活用される。問い合わせは町観光協会(0745・33・6668)へ。(室矢英樹)